留学先で思い出の品を紛失した話

オーストラリアに留学していた時期の出来事です。寮の自室の棚に置いてあった思い出の品を突然紛失した経験があります。品物自体は高級品ではありません。アルミ製の安いスプーンです。ただ、個人的にはとても大切にしていました。以前にアメリカのニューヨークに留学していた頃に使っていた物だったからです。アメリカに入国してから初めての買い物の際に購入した物の一つがこのスプーンでした。

オーストラリア留学が始まった直後はまだ何かと心細かったので、このスプーンを眺めてはアメリカでの経験を思い出し、自分の気持ちを鼓舞していたのでした。大げさに言えば、このスプーンは自分にとってお守りのような存在になっていました。

ところがある日、部屋に戻ってみるとこのスプーンがこつ然と消えていたのです。おそらく、不在の間に掃除のおばさんが部屋に入ってスプーンを見かけ、「この部屋の学生が寮のキッチンのスプーンを勝手に取ってきて使っている」と勘違いして持ち去ったのでしょう。キッチンに行ってスプーンを探そうかとも思いました。しかし、巨大な寮なのでキッチンには千本近いスプーンがあります。その中から自分の1本を探し出すのはほぼ無理と判断し、課題に追われて時間がなかったこともあって、泣く泣くあきらめました。

学生寮によっては、掃除係が部屋を定期的に掃除してくれるサービスがあって助かります。ですが、何かの勘違いなどで掃除係が部屋の物品を持ち去ってしまうおそれがあります。したがって、大切な物品は(それが高価な品でなくても)鍵のかかる引き出しなどに保管しておくのがよいでしょう。